R1年8月『濹東綺譚』永井荷風

 8月の木曜読書会の課題図書は、永井荷風『濹東綺譚』でした。参加者14名、見学1名の、計15名の方にご参加いただきました。

 以下、参加者の皆様に書いていただいた作品のまとめ(総括)です。

 

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・恋愛おじさんの感傷

 

たそがれ流星群もどき

 

荷風は、存命時から一部で古い作家という評価を受けていた。新しいともてはやされる作品がすぐに古びてしまい、発表時に古いと云われた作品がかえって古びずに読み継がれている、ということは、文芸ではままある。

 

作後贅言は、興味深い内容もあるけど、ちょっと冗長だにゃん

 

永井荷風(58)が大江匡(58)という主人公が種田順平(51)という主人公の小説を書く小説を書く小説

 

嫌いじゃない。

 

・男性が自らの「ミューズ」を拵える筋立ての小説は、身につまされて面白い。。

 

・勝ち負けや、能力で判断される現代はこの辺りから始まってるのかなあと思わせる文章があったけど、自分もそれ以外のものも大事に出来る居場所があるといいなあと切に思う。令和は、良い時代になりますように!

 

小説の中に小説を入れるという試みをしているが、果たして成功しているだろうか。

 

大江匡とお雪。種田順平とすみ子。双方の話が重なり合って、不思議な雰囲気を味わわせてくれた作品。

 

随筆もたまには読んでみよう。

 

永井荷風と、単なる女好きな中高年との差を、よく考えてみよう。

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 短くシンプルなお話ですが、大人な男女の恋愛物語ということもあり、いつもながら皆でわいわい盛り上がりました。年の差恋愛について、性別や年代によってとらえ方も様々で、とても興味深かったです。ご参加くださった皆さま、まことにありがとうございました。

 

 次回は9月26日(木)、『夜の樹』トルーマン・カポーティ(新潮文庫)です。『ミリアム』『夜の樹』『誕生日の子どもたち』の3作品は必ずお読みください。

 若くして才能を開花させ、”恐るべき子供”と評されたアメリカの人気作家カポーティについて、皆で楽しく語り合いましょう。次回もたくさんの皆様のご参加をお待ちしております。

 

【今後の開催予定】

 

★木曜読書会★19:00~21:00

・9/26(木)『夜の樹』トルーマン・カポーティ(新潮文庫)

・10/31(木)『輝ける闇』開高健(新潮文庫)

 

★サタデー長編読書会★13:00~15:00

・9/28(土)『アンナ・カレーニナ』トルストイ(出版社は不問)